自民党の総裁候補であった河野太郎氏の「年末調整廃止」という提言に私としても大賛成です。

資本主義と民主主義は表裏一体です。民主主義の根幹は、国民が納税(税の負担感)を自ら味わうことにより、その負担にふさわしい政治家かどうかを選挙で厳しく選ぶということで成り立っています。
しかし、給与所得者は毎月税金を源泉徴収されるため、自ら納税というアクションを行いません。もしも毎月源泉徴収されずに自ら納税というアクションをすると、
「こんなに税金を納めなければならないのか!」と、その負担感を実感できます。
更に、年末調整を勤め先が行っているので、年間にいくらの税金を負担しているのかも感じにくくなっています。そしてこんなに高額な税金を納めているのに政治家は何をやっているのだ、という批判が高まるわけです。
偽政者(国)が狙っているのは「負担感のない高い税金」です。負担感があると民はいろいろと騒ぐので、どの国のどの時代の偽政者も「高い税金を負担感なく」徴収することに腐心してきました。
その意味でせめて年末調整を廃止し、国民が税の負担感を感じることこそ民主主義を正常に機能させる第一歩です。
担当:冨山 恭道
九段下の会計事務所
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